みんなの冷蔵庫(仮)1
もしもの時、僕に関する全ての記憶を、綺麗さっぱり消しさる魔法はないのだろうか。

あるなら三人に使いたい。

優し過ぎるあの三人を苦しめたくはない。


勿論、無事にあのクソ親父を連れて出てくるつもりだが。

今まで大概の事はやってこれた。金が沢山あったから。
失敗はあまり経験してないと思う。

だからなのか、この自信というか……


失敗する気があまりしない。


危険な賭けだとは思わない。
中に入る事が怖くない。

あの二人なら大丈夫な気がする。
信用、だろうか。

佐田と謙信に電話を済ませ、食堂に入ったら、くららの頭がシグマの顔に重なっていた。

そっと閉めて、今度は音を立て開けた。

その時ちょうど佐田が来た。


佐田よりはシグマがいいと思う。その方が、くららも泣かずに済むだろう。


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