みんなの冷蔵庫(仮)1
上下お揃いのピンクのルームウェアを着た、ショートカットのかなり小柄な女性が裸足で俯いている。


「ごめんなさい。お金が欲しかったの。クビにしてくれていいです」


しおらしくそう言うと顔を上げ、僕と目が合った。

目鼻立ちのはっきりした、その気の強そうな顔には見覚えがあった。


「あ、もうとっくにクビ?」


僕の顔を見た途端、さっきまでのしおらしさは吹き飛び、がらりと口調がふてぶてしくなった。

なんだこの態度は。
開き直ったのか?

それにしても、この顔何かひっかかる。


「ああ! 確か数カ月前に裸を見られた、あの時の?」


目当ての記憶が頭に飛び出したのと同時に、口からも出た。

そうだ。
あの時の女だ。

髪型は違うけど間違いない。

ここからは見えないが、うなじにホクロがあるはずだ。


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