みんなの冷蔵庫(仮)1
「ケチぃ~?!」


なんだこの女は。

ぱっと見はかわいらしいが、中身が最悪だ。

そしてさっき佐田が「ただでさえ野崎さんは……」と言いかけたのを思い出す。

あれはこの女の本性を知っての台詞だったのか。

それとも、佐田にも何かあったみたいだし、ツツモタセのようだと言いたかったのか。

なんにしても最悪だこの女……


「で、何しにここまで来たの? 文句言いに?」


野崎ちよみはますます開き直ったように、仁王立ちで僕らを見た。


「誰に頼まれて何をした? 僕の裸に何かあるのか?」


この女の意味もなく強気な態度に負けないよう、語気を強く言う。

しかし野崎ちよみは鼻で笑うと、顎をしゃくるようにして下から見上げてきた。


「あんたに迫ったのはお金が欲しかっただけ」

「金?」

「金持ちだから、やることやって、子供できたって言ったらお金くれるかと思って」


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