みんなの冷蔵庫(仮)1
すれ違う
三浦邸に着いてすぐに、野崎さんが「早く十万頂戴」と言い出した。
よく意味は分からなかったけど、京極と二人で二階へ行き、佐田さんは私達を降ろすとすぐにまた出て行ったので、シグマと二人、エントランスに残された。
佐田さんと離れられた事にホッとする自分がいる。
「部屋に戻る?」
何となく気まずいのでそう言うと、シグマはぶんぶん激しく首を横に振った。
「一緒にいたい」
一瞬ドキッとして照れそうになるけど、きっと私を一人にしないように、気を使って言ってくれている。
「シグマ……私大丈夫だから」
笑って見せる。
本当に大丈夫。
大体、佐田さんに彼女がいない訳ないじゃない。
いて当然よ。なに今更動揺してんだろ。
なんて思うと、落ち込んだ事自体が恥ずかしい気がしてきて、余計泣きそうになる。
駄目だ。
「俺が大丈夫じゃないもん」
シグマが強い口調で言った。
よく意味は分からなかったけど、京極と二人で二階へ行き、佐田さんは私達を降ろすとすぐにまた出て行ったので、シグマと二人、エントランスに残された。
佐田さんと離れられた事にホッとする自分がいる。
「部屋に戻る?」
何となく気まずいのでそう言うと、シグマはぶんぶん激しく首を横に振った。
「一緒にいたい」
一瞬ドキッとして照れそうになるけど、きっと私を一人にしないように、気を使って言ってくれている。
「シグマ……私大丈夫だから」
笑って見せる。
本当に大丈夫。
大体、佐田さんに彼女がいない訳ないじゃない。
いて当然よ。なに今更動揺してんだろ。
なんて思うと、落ち込んだ事自体が恥ずかしい気がしてきて、余計泣きそうになる。
駄目だ。
「俺が大丈夫じゃないもん」
シグマが強い口調で言った。