みんなの冷蔵庫(仮)1
やっと状況が飲み込めたけど、私はとにかく酸欠でパニック状態。


拳を作りシグマの胸を叩こうとしたら、両手首を掴まれ、そのままソファーの背に体を押し付けられた。

私の体に覆いかぶさるように、シグマの体が重なる。


唇が離れたと思ったら、息を吸う間もなく、また角度を変えて重なる。

ただがむしゃらに吸い付くだけだったそれが、段々、唇を舐めたり、何度も短く吸ったりする。


私は放心状態で、目を閉じてそれを受け入れる。


何で今キスをしてるんだろう。


何で私は拒めないのだろう。


シグマの事は大好きだけど、これは違う、と思うのに。


シグマの唇は柔らかくて気持ち良くて


音を立て、角度を変えて触れる度、ふわふわした気分になる。


思考能力は、もう溶けてしまったのかもしれない。



< 488 / 491 >

この作品をシェア

pagetop