みんなの冷蔵庫(仮)1
よかった。シグマの食いしん坊っぶりのお陰で、とりあえず緊急避難できた。

上がった息を整え、少し後ろに立つ京極を少しだけ振り返る。


「あ、あの、ありがとう、ね」


ぼそぼそとそう言うのがやっとだった。

京極の顔が見れない。

今真正面から見たら、また細胞達が見た目に騙され、騒ぎ立てるに違いない。

細胞は仕方ないにしても、間違っても心の中までヤツの事をかっこいいなんて思いたくない。



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