みんなの冷蔵庫(仮)1
「あいつは本当に子猿みたいだ」


京極がすぐ後ろに立ち、ため息混じりに言う。

私はドキドキを気付かれないようにゆっくり京極から離れ、シグマの方へ歩いていく。

あまり近付かないで欲しい。
無駄にかっこいんだから。


「くららちゃんも食べる?」


シグマが半分程かじったリンゴをこちらに差し出してきた。

手が果汁でベタベタしている。


「いらないわよ。てゆーかくれるなら新品よこしなさいよ」


ちょっと大きな声を出すと、広い部屋中に響いた。

天井がものすごく高いからかもしれない。

うちの大学の小さめの講義室程の広さがあるこの部屋中を、全体見渡してみたけど、目当ての物が見当たらない。



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