みんなの冷蔵庫(仮)1
「キョンキョンごめんね」


シグマが立ち上がってぺこりと頭を下げた。


「いや、もういい。くららと話があるから、お前はリンゴ食べてなさい」


京極はそう言い、先程の壁のボタンを押した。


「リンゴ3~4個剥いて持って来て」


かしこまりました、と女性の声がして、すぐにリンゴがワゴンで運ばれてくる。


京極は私の横に腰掛けた。

それに付き添うように佐田さんも従い、京極の数歩後ろの壁際に立った。


「彼の前に置いて」


京極がリンゴを運んで来た二人の女性にそう言う。人を使う事に慣れた人の、嫌味っぽくないさらっとした言い方だった。


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