みんなの冷蔵庫(仮)1
「そこでシグマは練習をした。『光で消えた物を出す』練習を」

「何でそんなことを?」


黙って話を聞くつもりだったのに、思わず聞いてしまう。

だって、練習だなんて、そんなことをする意味があるのだろうか?

そう思えてならなくて。



実際、練習なんかしたって、出てきたのは私の答案用紙くらいじゃない。

そして、これからだって何も出てきやしない。

シグマだってそんな事知ってるはずなのに。


「くらら、君はシグマよりは賢いみたいだ。算数は苦手だったみたいだけど」


京極は意味ありげに含み笑いをして、前髪を払った。


「どーゆー意味よ?」


苛立たしげな顔を一切隠さずに向けると、京極は唇の端を吊り上げた。




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