みんなの冷蔵庫(仮)1
私達は草をむしったり、木の枝を振り回したりしながら、毎日仲良く一緒に帰った。

そして私の母がパートから帰るまで、シグマの家で遊んだり宿題をして過ごす。

シグマのお母さんは、シグマ程じゃないけど、結構天然な人だった。

どこかほわーんとしてるような、ふわふわした人。

とっても優しくて、いいお母さんなんだけど、なんかちょっと抜けてて。

おやつはいつも手作りなんだけど、必ず失敗してたり、私の事を時々「うららちゃん」と間違えたり、どうかしたらシグマの事を「マグマ」と呼んだり。

お父さんの方は、隣りに住んでるにも関わらず、何度かしか見かけた事がないくらい、滅多に家にいない人だった。

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