みんなの冷蔵庫(仮)1
お互い一人っ子だって事もあってか、不在がちのお父さんは抜きで、私達家族とシグマと彼のお母さんとで出掛ける事がよくあった。

その日もみんなで近所のファミリーレストランに行っていた。

ゆっくり食事をしながらお喋りをして帰った。

家について数分して、レシートを手に母が

「あらやだ多く貰いすぎちゃった」

と言い出した。

会計を一緒にしたため、支払いをした母に払う形になったお金が、三百円多かったというのだ。

私は三百円を握らされ、お隣りへ向かった。

まだ早い時間だったから、いつものように鍵が開いてるだろう、と当たり前のように勝手口から入る。




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