みんなの冷蔵庫(仮)1
私は何もなくだだっ広い空き地の中央にシグマを残し、隅に行って木箱の破片のような板を二枚持って戻り、向かいにしゃがみ込んだ。


「しーちゃん、ここに深い穴掘って、二人で暮らそう! 地中は暖かいから夜お布団なくても大丈夫だから」


学校で習った動物達の冬眠のように、私達も地中で生活すればいい、なんて事を六年生にもなって真剣に考えていた。

シグマがはしゃいで泥んこになりながら掘り進めるから、私もそんなシグマにつられて楽しくなってきた。


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