みんなの冷蔵庫(仮)1
「どれくらい掘ればいいの?」

「しーちゃんチビだから、あんまり掘ったら出られなくなるから、浅くていいよ」


空き地の土は前日の雨で湿って柔らかく、掘りやすかったけど、途中で大きな石があったり、鉄板みたいに固い土に出会ったりして、私達の作業は難航した。


「くららちゃん、お腹空いた」


夕暮れになり、シグマがぽつんと言った一言に、私はなんだか異様に悲しくて、涙目になった。


「これあげるから、もうちょっと頑張ろ」



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