みんなの冷蔵庫(仮)1
私達は寄り添ってその光の動きを見ていた。

ぼんやりとした光になってからは何の動きも見られない。

どちらからともなく、じわじわと穴に入り、中心に近付いた。

透明感のあるピンク色の光は、湯気が立つように空気中を揺らめいている。

光を放つ物は、濃いピンク色をした、小さな塊だった。
つるんと楕円形で、卵より小さいくらいの大きさ。

暖色なのに、不思議と冷たさを感じるような透明度に、私達は心奪われたように、ずっと見つめていた。


「くららちゃん、これ何?」


今更のようにシグマが言い、はっと我に返る。


「しっ知らない」


シグマはその場にひざまずき、絵や写真でしか見た事のない、宝石みたいなそれに顔を近付けた。


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