カフェには黒豹と王子様がいます
「……そばにいると、うつるぞ」

「大丈夫です」

 ゆっくり深呼吸みたいなため息をつく小野田先輩が、色っぽくて胸が締め付けられる。

「おまえさ、結構ケーキ食べ歩いてんのか?」

「しょっちゅうってことはないですよ。ここにバイトに来るまでは新しいケーキ屋さんとかできると、食べに行っていましたけど」

「ケーキ盛り合わせは、いい案だった」

 ほめられちゃった。うれしい……。

「ありがとうございます」

 ふいっと目をそらす小野田先輩。

「……俺、結構熱あるな」

「え?大丈夫ですか?」

「今お前がちょっとかわいく見えちゃった」

「な、何言ってるんですか!」

「フフ、だから熱のせいだって」

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