カフェには黒豹と王子様がいます
 そうだ、今はバイト中。泣いている場合じゃなかった。

 小野田先輩は、何事もなかったかのように仕事をしている。

 小野田先輩にとっては、あんなこと何でもないことなのかな。

 男の人ってずるい。

 ドキドキさせておいて放置。


 私、本当に本気ではっきりさせなくちゃいけないのかもしれない。

 徳永先輩が好きなのか、小野田先輩が好きなのか。

 ちゃんと考えよう。


 それから何日か、徳永先輩がお休みして、バイトはずっと小野田先輩とだった。

 徳永先輩、どうしちゃったんだろう。

 もう春休みだから学校の都合じゃないはずだし……。

 小野田先輩は何か知っているのかな?


 そう思った矢先に、マスターが私と小野田先輩に話があると言って呼んだ。

「実は、徳永くんがしばらくバイトに来られなくなりました」

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