カフェには黒豹と王子様がいます
「え?どうしてですか?」

 すごくうれしそうなマスター。

 何があったの?

「徳永くんね、本気でこの店のことを考えてくれているみたいで、コーヒーと接客の講習にこれから通うことになるんだ。だから、バイトに来れるのも週一くらいかも」

「そっか、あいつ本気なんだ。徳永は店のコンセプトでもある『コンフォート』癒しの空間を上手に作っているマスターに、心酔してるからな」

「なんか尊敬します」

「あーでも、店まわりませんよ。西口はだいぶ動けるようになりましたけど、俺が休みの日は人手が足りないだろうし」

「それで、バイト募集の張り紙を出したんだ。そしたら、すぐに飛びついてくれた子がいたから採用しちゃった」

 そ、そんなにすぐにバイトって見つかる物なんだ。

「紹介するね。入っておいで」

「はーい」
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