カフェには黒豹と王子様がいます
「あ!お前!」

「え……うそでしょ」

「知り合いだった?明日から来てもらうから」


 それは、前にお客さんとして来ていた、豊川くんだった。


「僕、晴れて高校卒業して、西口さんと同じ大学に入りました!よろしくお願いします!」

 私の通っている大学受けたんだ……。

「なんか、トラブルの予感しかしねえ」

 小野田先輩は大きくため息をついた。

 
 豊川くんはあの後、反省してずっとこの店に来られなかったらしい。

 でも、大学にも受かって、高校も卒業して、今度こそ店に入ろうと思った時、マスターがバイト募集の張り紙を貼っていた。

 これは運命だ!

 そう思ったらしい。

「小野田さん、僕、西口さんの事あきらめてないですよ」

「な、なんで俺に言うんだよ」
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