カフェには黒豹と王子様がいます
「西口さ~ん」

 また今日も徳永先輩はいなくて、小野田先輩と豊川くんの3人。

 ちょっと手が空くと、すぐ私の所に飛んでくる豊川くん。

「今日はちょっと髪型違いますよね。かわいい!」

 またすぐそんなこと言う。

「あ、ありがとう、あのね、こっちはいいから、向こうお願い」

「は~い。西口さんのそばにいたかったのになー」

 なんだか、なついてくる子犬って感じ?

 かわいいけど、疲れるのよ。

 尻尾ふるのやめて。

「西口、もっとびしっと言ってやれ!」

「言ってるんですけど、やめてくれなくて」

「外で待たれたことあるって言ってたな。今日は帰り、一緒にいてやる」

「ほんとですか?」

 そんなこと言ってくれるんだ。うれしい。

「俺は、ああいうチャラチャラした感じのやつ、一番嫌いなんだ」

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