カフェには黒豹と王子様がいます
 小野田先輩が怒っている。怒鳴るときの声じゃない。本気で怒っている時の声だ。

「怖いな~小野田さん、小野田さんが西口さんの事、本気になってくれたら僕だって考えますよ」

 小野田先輩が豊川くんをにらむ。

「ね、はっきり言ってくださいよ。小野田さんが西口さんをどう思っているのか」

 ちょっとドキッとした。

 小野田先輩がどう答えるのか、息をするのも忘れて、じっと待ってしまった。

「なんでお前にそんなこと言わなくちゃいけないんだ」

「あー小野田さん、うまくかわしましたね。西口さん、残念!」

 けらけら笑う豊川くんを、今にも殴りそうな小野田先輩。

 私は、小野田先輩の腕をつかんだ。

「小野田先輩、帰りましょう」

「ん、ああ」

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