カフェには黒豹と王子様がいます
「西口さん、また明日ね~」

「おつかれさま」

 軽い。

 何で豊川くんはあんなに軽いんだろう。

 本当に、どこまで本気なんだろう。

 私と小野田先輩は、黙ってしばらく歩いていた。

「そろそろ離してくんないかな」

 先輩の腕、つかんだままだった!

 はずかし!!

「ご、ごめんなさい」

「いや、いいけど」

 またしばらく黙ったまま歩く。

「西口」

 小野田先輩が立ち止った。

「俺はさ、西口も大事だけど、徳永も大事なんだ」

「……はい」

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