カフェには黒豹と王子様がいます
「今日はもうやめましょう、三人とも西口ちゃんから離れて」

 徳永先輩はすっと立ち上がり、小野田先輩の方に行った。

「小野田、西口に何した」

 小野田先輩は徳永先輩から目をそらした。

 それが余計に徳永先輩の怒りをかった。

「西口の涙の原因が本当にお前なら、……たとえお前でも許さねえから」

 そう言うと、徳永先輩は向こうに行ってしまった。

 小野田先輩は私をじっと見て、辛そうな、苦しそうな顔をする。

 豊川くんは私の顔をじっと見て、ニコッと笑った。

「西口さん、また来るね」

 豊川くんは走って行ってしまった。

「竹本さん、ちょっと二人で話がしたいです」

 小野田先輩がそういうと、竹本さんはちらっと私を見た。

 今、小野田先輩と二人になりたくない。

 竹本さんの手を握って首をふった。

「小野田くん、今日はもう」

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