カフェには黒豹と王子様がいます
 徳永先輩が小野田先輩の事、「お前」って言った……。

 私のせいで……。

「なんだか知らないうちに、大変なことになってるわね~」

 竹本さんがフフフと笑う。

「あの子、なんだっけ、豊……川くん?かわいいわねぇ~。ぽろぽろ泣いちゃって。なんか子犬みたいな感じ?」

 竹本さんが笑うので、私も少しつられた。

「小野田くんもむしゃぶりつきたいくらい、いい男になってたし、徳永くんの、あんな表情初めて見たわ~。いや~おかげでいいもの見れた」

 竹本さんの明るさに救われる。

「あんた、いい女になったわね。3人の男にあんな顔させちゃって。ああ~うらやましい」

 少し笑うことができた。

「やっと笑った。泣いてばっかりいると、干からびちゃうわよ」

 うなずいた。

「……明日は私も仕事行かなくちゃいけないから、ついててあげられないけど、大丈夫?」

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