カフェには黒豹と王子様がいます
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい」

 もう誰に謝っているのかよくわからない。

「に、西口……?」

「私……きっとこのままの方が、徳永先輩をもっともっと傷つける」

「西口……」

「一緒にいても、徳永先輩、心から笑わないんです。私のせいです」

 何も答えない小野田先輩。

「いいんです。ごめんなさい」

 私は小野田先輩からパッと離れた。

 そして、にっこり笑った。

「小野田先輩に想いを返してもらいたいなんて思っていません。ただ……」

 涙があふれる。

「自分の気持ちに正直になりたかった。それだけなんです」

「西口、俺は……」

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