カフェには黒豹と王子様がいます
 徳永、元子さんと一緒なのか、大丈夫か、あいつ。

 もしかしたらその場に、博子さんが来ちゃったりすんじゃねえのかな。

 俺、行った方がいいかな。

「マスター、俺……」

「あの!」

 西口?

「一緒に病院に行ってもいいですか?」

「……うん、元子喜ぶよ」

「小野田先輩ごめんなさい」

 そうか、そうだな西口の方がいいのかもしれない。

 西口もずっと心配そうな顔してたしな。

「いいよ、行って来い」

「ありがとうございます」

「貸しひとつな」

「え?は、はい」

 俺はこの時は、西口を行かせたことをあんなに後悔するとは思わなかった。
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