カフェには黒豹と王子様がいます
「待合の椅子にでも座ってるか」

「うん」

「顔色わりいぞ、横になれ」

 徳永は待合のソファに横になった。冷や汗がすごい。

 貧血起こしてる。

 何が起こったのか、今話せる状況じゃない。

 それは分かってる。

 この状態の徳永に聞くのは酷だ。

 それでも、知りたい。

 心配でたまらない。

 徳永を見た。

 徳永がこんなになるほどだ。

 西口が怪我する瞬間を目撃したんだろう。

 なんで怪我なんか……!

 口をついて出てしまった。

「……何があったのか、聞いてもいいか?」

 徳永は首をふった。

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