カフェには黒豹と王子様がいます
 優が男だって感じちゃった。

 そんなこと思いたくなかったのに。

 その後、初めて怒鳴られた。

「うるせえ!」

 って……。

 優が怖いって初めて思った。

 香織さんにそれを感づかれるのが怖くて、たくさんたくさんしゃべったな。

 あたし、優とはずっと兄妹のような関係でいたい。

 恋愛には絶対にしたくないんだ。

 だから、優を男だと思いたくない。

 すぐラブとかそっちの方に結びつけたがる豊川なんかに、引っ掻き回されるもんか。

 
 優の誕生日、マスターがケーキを作ってくれると言うから、香織さんも呼んだら?と言ったのはあたしだった。

< 411 / 443 >

この作品をシェア

pagetop