カフェには黒豹と王子様がいます
 二人が帰ってくる日、私と豊川が先に空港に着いた。

「今日子ちゃん、僕はさ、西口さんを見ても、やっぱり今日子ちゃんが大好きだと思う自信があるよ」

「なにそれ」

「今日子」

 優の声がして振り向いた。

 優は香織さんと手をつないでいた。

 香織さんは私の顔を見たら、パッと優から手を離した。

 別につないでたらいいのに。

 しばらく4人で話していると、豊川がエスカレーターの方を見た。
 
「あ、ほら、西口さんだよ。西口さあ~ん!」

 エスカレーターからゆっくり降りてくる、恭一と西口さんの姿が見えてきた。

 豊川が西口さんにぶんぶん手を振る。

「と・よ・か・わ!」

「あはは、やっぱり西口さんかわいいね」

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