カフェには黒豹と王子様がいます
 しばらくして小野田先輩がバイトに来た。

「今日、竹本さんと話したか?」

「え?はい」

「なんかいつもと違うよな」

「そうですか?」

「着替えものぞかれなかったし、俺のことなんか眼中にない感じだった」

 ああ、きっと意中の彼が来るからよね。

「竹本さんの壁ドンがなくて、寂しいですか?」

「お前なあ~。もうほんっと勘弁してほしいよ」

「今日はきっと、大丈夫ですよ」

「なんで?」

「ないしょです。ウフフ」

「なんだそれ」

 今日は小野田先輩と話していても、竹本さんが怖い顔しないので、気が楽だった。

 本当にその意中の彼のことが好きなんだな~。

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