カフェには黒豹と王子様がいます
 入ってきたのは、髪が長くて背の高い女の子……? 

 竹本さんはまだ気付いていない。

 「彼」の前に座ったその人に、私はお水を思って持っていった。

「いらっしゃいませ」

「ここのケーキ、俺の知り合いが作ってんだ。うまいぜ。食ってみな」

「えーどうしようかな」

 少し低い声……。ああ、この女の子、そっちの系の子なのね。

 でもどこかで聞き覚えがある声。

「じゃあ、このクレームブリュレを……」

「は……」

 うそ……

「じゅ……純平……」

「ん?どうした?純子、知り合いか?」

 ……じゅ・ん・こ?????

クワワワワワ……ン

 トレンチが床に落ちる音ではっとした。

「し、失礼しました」
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