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案の定、リアは顔を顰める。

俺はその視線を逸らし指に挟んでいたタバコを再び咥えた。


「やっぱ酔ってんじゃん。…また来るから」


フッと息を切らしたリアは俺に背を向ける。

その背中を追い、タクシーの前まで来ると、「ありがとう。気をつけて」乗り込むリアにそう声を掛けた。

振り返るリアはいつもの表情で、思わず安堵のため息が漏れ頬を緩ませる。


タクシーが過ぎ去った後、歩道の端により腰を下ろす。

酔いの所為か痛みが走る頭に顔を顰めながら指に挟んでいたタバコを地面に押し潰す。

それを手にしたまま、俺は立ち上がり店まで足を進ませた。


店に入ってすぐ、持っていたタバコを捨て、そのままバックヤードにある2人用のソファーに身体を預ける。

丁度、閉店をいい事に俺は今日で最終の予算の結果も何も聞かずに寝落ちってしまった。



どれくらい眠ったのかも分かんなかった。

意識が戻り、未だ重い瞼を開けた俺は痛む身体を擦る。


「…はよ」


聞こえた声に視線を送ると、流星は椅子に座ってパソコンを眺めていた。


「今、何時?」

「8時5分前。お前、起きねーから死んだと思った」

「んな訳ねぇだろ」

「お前らしくねーな。結果も聞かずに爆睡するほどキツかったのかよ」

「あぁ、今回はな」

「それはお前が女とバックレてっからだろうが」

「そーですね」

「まぁ、でもお前がまたトップだけどな」

「そっか」


思わず素っ気なく返してしまった俺に流星はクスクス笑みを漏らした。
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