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「つか明日も学校だろ?悪いなこんな時間に」

「ううん」

「じゃーまたな。おやすみ」

「うん、おやすみ」


電話を切った後、再びソファーに横になる。

ホストと言う仕事に没頭してたから繁華街で美咲の存在を見なかったわけじゃない。

何回か美咲と出くわしてた時間に街並みを見渡すも、美咲はあれからずっと繁華街に姿を現さなかった。


それはバイトしてるからであって、姿を現さないだけ。

つーか、現れても困るけど。

あの頃の俺だったら、別にアイツが何してようが構わねぇけど、何故か今は無理。


別にそこまで好きでもなんでもねぇけど、やっぱそれでも無理。

なんでそう思うのかも分からない。

自分に問いかけても答えなんて見つからない。


「バイトっつーのもなぁ…」


不意に零れ落ちた言葉。

そもそもそのバイトはなんの為にしてんだろうか。


俺に金返す為か?

いや、違うな。あいつの夢、留学だからな。

俺とは対照的に違うぶっ飛び過ぎの夢に、苦笑いが漏れた。


「…もう帰んのかよ」


一息吐き、立ち上がった瞬間に聞こえた流星の声に振り返る。


「あぁ」

「はえーな、今日は」

「昼の仕事ねーから帰って寝る。じゃーな」

「おぅ」


家でゆっくり寝たい。

美咲と海で出会って以降、自分なりに必死に頑張ってた。

アイツの事を思い出すとホストと言う職業に戸惑いが出る。

何でこんな事やってんだろう。と思う一方で辞められない現実との闘いにまで陥ってしまう。


だから仕事は仕事だと言い聞かせて頑張って来た。
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