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「まぁ、あれだね。毎日毎日そんなに女見てりゃ、いらないか。んー…むしろ客とは別の人種を探したくなるよね？」

「なんだそれ」

「ほら。あー言う所に来る女ってさ、キャピキャピしてんでしょ？デレデレって言うかさ…それって疲れない？あたしだったら疲れるわ。だからさ、そう言う人たちと真逆の人に好むんだよ」

「真逆ねぇ…」

「あっ、誰かいた？」

「いねぇわ」

「サバサバって言うの？ツンツンって言うの？俺の事を無視すんなよ的な？だから敢えて気になって、その子を追いたくなるのよねぇ」

「……」


正直、ユカの言葉が何故か少しだけ合っているような気がして、俺は何も口を開く事が出来なかった。

鋭いところつくな、こいつ。

昔っから俺の心を簡単に読みやがるにしろ、今の言葉は俺にとっちゃ禁句。


「ねぇ、合ってるでしょ？アンタの心ん中」

「さーな」

「あたしだって伊達にアンタのお姉様してきたわけじゃないんだから。アンタの読みくらいすぐ読めるわ」

「……」

「何もしなくても寄って来る女は山ほどいるのに、避けても追って来る女は山ほどいるのに。なのに肝心な女は寄り付いてこない」

「……」

「でもその寄せ付け方がどうしたらいいのか分かんない。過去に扱ってきた女の扱いじゃダメだと気づいた今、どうする事も出来なくって、だから――…」

「わーったから、もう話すな。ちょっとは黙れよ」


遮った俺の言葉にユカは口角をあげてクスリと笑う。

やはりコイツと居ると調子が狂う。

俺の心を簡単に読み取るコイツは俺の何なんだろうか。

ただの迷惑な女にすぎない。