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「換気くらいしなよ。タバコと酒臭いんだけど、この部屋」

「つか何しに来たんだよ」

「あんた何してるかなーって思ってね。何度も電話したけど出ないからこれは寝てると思って」

「じゃ寝かせて。眠い」

「もう14時半よ?」

「……」

「って言うかママがさ、アンタ来ないから心配してんのよ。悩み相談してから来ないって、」

「…悩み相談?」

「辞めるとかなんとか言ってたんでしょ?」

「あー…」


そんな事も言ったな、確か。

もうそんな話すら忘れてたわ。

確かにあれっきり沙世さんの店には行っていない。

行けないほど忙しく、そして酒に溺れてただ寝てただけ。

どんだけ不規則な生活してんだよって、言う間でもなかった。


「だからママ気にしてんだよ。可愛いベビちゃんも見に来るって言ってからもう一か月も来ないじゃん?だからママが倒れてんのかなーって、」

「俺が1ヶ月、2ヶ月行かねぇなんてザラだろ」

「そうなんだけどねー…今回はマジで心配してた。だから代わりにお姉ちゃんが来たの」

「は?何がねーちゃんだよ、」


そう言って俺はフッとアホらしい笑みを浮かべた。


「だってママが息子が心配だわ。って言ってたからさ」

「お前ら親子、馬鹿だな」

「そんなアナタも物凄く馬鹿だけどね。こんな家でも吸って飲んでどーすんの?身体破壊だね」


ユカはため息をつきながらテーブルの上にある缶をビニールに突っ込んでいく。


「で?その可愛いべビちゃんはどうしてんの?」

「ママが見てるよ。今から来る?」

「行かねー…また今度行くわ」

「そればっかだね。その頃にはもう帰ってるわよ」

「あぁ、そう」

「見に来たらマジビビるよ。めっちゃ可愛いの」

「だろーな」

「そうだよ。あたしに似て超可愛いの」

「はいはい」

「あんたっていつも適当な返事するよね。ってか寝てないで片付けなさいよ!」


ほんと親子そっくり。と思うほど沙世さんと似ている。

何でか知んねーけど慌ただしく動くユカに視線を送りながら俺は身体を起した。
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