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「お前さ、もう来なくていいわ」


食べてる途中でふと引っかかる事が頭を過り、俺はユカにそう言い放った。

案の所、ユカは表情を崩し、俺を睨む。


「は?なによ、それ。人が折角心配して来てんのに、そんな事言う?失礼よ?」

「いや、…うん。一人でなんとかなっから」

「ひとりで何とかなってないから来たんでしょ?…って、あれ?ねぇねぇ、もしかして突然誰か来ちゃうとか?」


ユカはさっきまでとは正反対にニコニコ笑みを浮かべて俺を覗き込む。

その瞳と一瞬かち合った時、クスっと更に笑みを浮かべた。


「そんな奴誰も居ねぇから」


とは言ったものの、俺は美咲に合鍵を渡していたことに今更ながら思い出す。

全然美咲が来なさ過ぎて渡していたことすら忘れていた。


電話にもでねぇから来るはずはねぇけど、美咲が来たら来たらで困る。

いや、俺が困るんじゃなくて美咲が困る。


ただユカの説明は出来るにしても、このユカが美咲に根掘り葉掘り聞いてとんでもない事になりそうだから。


「えー…そうなの?だったら別にあたし来てもいいじゃない?」

「いや、もういいから」

「あー…アンタあれでしょ?ここで陳腐なパーティーでもしてんでしょ」

「は?お前なぁ…俺がしそうにみえるか?」

「十分みえるよ。だって昔してたじゃん陳腐なパーティー…あ、じゃなくて破廉恥なパーティーか」

「過去の話しすんなよ。しかもそんな事したこともねぇし」

「過去ねぇ…。あーあ、過去とは言え、ママが知ったら泣くわ」

「今は泣かせるような事してねぇからな、お前にも沙世さんにも」

「今はね。だからお姉ちゃんは嬉しいよ?」

「は?なにお前、何様なんだよ、」

「お姉様だよ」

「馬鹿じゃねぇの?」


思わず小さく漏らした声に何故かユカは笑っていた。

そんなユカにも沙世さんにも感謝している。

昔はすげぇ迷惑でウザかったけど…


今は、物凄く。
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