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「脱げ」
「…は?」
「脱げっつってんだ。そんなにヤりたかったら俺が代わりにヤってやっから早く脱げ」
もう勢いしかなかった。
別に美咲を抱きたいなんて思ってもない。
こいつがいいって言う根拠もない。
女なら腐るほどいる。
この女…美咲に絞ることはない。
詰め寄って美咲を押し倒してそのまま肩に顔を沈めた。
こいつが誰でもいいように、俺も誰でもいい。
別に今更、好きな奴と…なんて考えてヤるほうが馬鹿らしくなる。
むしろ、そんな奴、居ねーし。
顔を沈めたまま美咲のシャツに手を掛けた。
左手でグッと美咲の頭を抱え込むようにして、右手でボタンを外していく。
そのまま肌に手を滑り込ませた時、我がに返ったかのように美咲が俺の身体を強く押した。
その反動で俺の身体は美咲から一気に距離を置く。
「いい加減にして!!誰もヤりたいなんて言ってないじゃん!!」
張り叫んだ美咲の声が部屋に反響する。
…は?とでも言いたくなるような言葉に俺の眉間に皺が寄った。
「ヤりたいからアイツと一緒に居たんだろうが」
「そんなんじゃねーよ!!あたしはただ金が欲しいだけなんだよ。邪魔してんじゃねぇよ!!」
「金の為ならヤれんのかよ」
俺は小さく呆れたように呟く。
ま、援交してる奴は誰だってそう言う。
だってそれが目的だしな。
その目的を果たすためだけにしてる事。
つか、マジでその綺麗な顔が台無し。
勿体ねーな…