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「挨拶って言うか、そんなんじゃねぇけど…うん、ま、もういいってその話」
「なんでよ?」
「つか何でこんな話し沙世さんにしなきゃいけねぇんだよ」
「別にいいでしょ?気になるもん」
「はぁ?」
「百合香に報告だよ」
「そんな報告されたくねーと思うけど」
「翔くんの事ならなんだって知りたいと思うよ。ま、あれだねー…大切にしてあげなよ」
「…って言うか、付き合ってねぇんだけど」
「あら。翔くんの一方的の恋なんだ。ま、頑張ってね」
クスクス笑う沙世さんにため息を吐き、窓の外を眺める。
一方的でもなんでもいいと、思っていた。
ただ美咲の傍に居たいって事だけでいいと思っていた。
だけど、一緒に居る期間が増えれば増える程、それ以上を望み、離したくないと、そう思ってしまう。
「あー…翔くんに出会うんだったら、渡すお肉食べずに持ってきたら良かったねー…」
「別にいいって」
「なんかユカが翔くんの事、愚痴って食べちゃったから」
「はぁ?俺なんもしてねぇだろ」
「人の話聞かず勝手に切った!とかって怒ってたわよ?」
「あいつ俺で遊びすぎ。沙世さんもだけど…」
「ちょ、なんで私もなのよ!」
ほんとこの親子、馬鹿なんじゃねぇの。
って、事は言ったらヒステリックになるから言えねぇけど。
「親子そろって俺の事もてあそぶのやめろよな」
「ちょっとなによそれ。ユカはきっと過去の翔くんからの変わりように面白がってるのかも知れないけど、私はあなたの事を思って心配してるの」
「はいはい」
「適当さは相変わらずだけど、ちゃんと食べて、えーっと…今いる子、何ちゃんだっけ?」
「言わねぇわ」
「ま、いーわ。その子の事も大事にしてあげて」
車を停車させた沙世さんは俺に向かって、口角を上げた。