君桜





「……姉ちゃん」



ふわ、っと風が舞い、楓の姿はだんだん薄く、透明になっていく。

桜と一緒に舞いながら。


桜色に、染まりながら……。



「姉ちゃん、…ありがとう……っ」


楓が微笑んだ気がした、次の瞬間桜がわぁっと舞って、それはゆっくりと道を桜色に染めた。



「…………っ」









さくらの頬を、涙が伝った──…




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