炭酸キャンディ
1st candy
一目惚れ
-恋side-
「れーん!次バスケだよ行こう!」
「あ、うん!行く!」
あちこちで悲鳴や歓声が上がる
今日は....年に1度の体育祭。
高校2年生になったあたしは
2回目の体育祭なのに
やっぱりこの騒がしい雰囲気は
新鮮でどこか緊張する...
「よし!確保ー!」
隣座ってとイスをバンバン叩く
親友の麗に圧倒されながら
過ごした体育祭も今日で最終日。
残すは今から始まる2年男子のバスケと
あたしも出る女子のバドミントン、
そして一大競技の選抜リレーとなった。
「恋の為に最前列確保したんだからねー感謝してよ!」
早口でそう言う麗の視線は既に
コート内でウォーミングアップを始める男子達に向いている。
「はい...感謝してます」
あたしは身長152cmと高校2年生の16歳にしては
ずいぶん小さい...コンプレックスだったりする。
男子のバスケは毎年すごく人気で
あっという間に前のイス席は埋まって
残りの人は立って応援するから
あたしみたいな小さい人は声で判断することしか
出来なくなってしまう。
それを知ってて麗は
去年から引き続きあたしの為に
前列のイス席を確保してくれたらしいんだけど...
なんだかんだイケメンに目がない自分の為のところも
あるんじゃないか...なんてことは絶対秘密。