炭酸キャンディ


「美味しい...!」


久しぶりに食べたかき氷は

相変わらずひんやりと喉に染みて

甘いにおいがツーンと鼻に抜ける。


しかも...いつもより美味しく感じたのは


きっと隣に駿くんがいてくれたから...かな。



「俺カキ氷なんて久しぶりに食ったな~」

「あたしもだよ!」

「そうなの?なんか女子っていつも食べてるイメージだな」

「そうかな?けどお祭りきたら必ず食べるかな...?」

「毎年来てるの?この祭り」


横に並んで座るあたしたちの前を行き交う人を見ながら


駿くんはそう言って、メロン味のカキ氷をぱくぱくと食べた。


「うん!駿くんは?」

「俺も来てる!けどいつも男友達と集団で来てるからさ、女の子と2人で来るって初めてでなんか緊張するよ」


そう言ってチラッとあたしを見た。


駿くんも...はじめてなんだ。



てっきりモテるし、彼女と来たりしてたのかな~なんて


少し落ち込んでいたから嬉しくて


「あたしも初めて!」と少し大きな声で行ってしまって


恥ずかしくなり俯いてちゅーっとストローで溶けたカキ氷を飲んだ。



あまっ...飲むべきじゃ、ない。



「そっか!...嬉しいな、俺が初めてで」

「うん...あたしも駿くんと来られて嬉しいよ」



素直に言ってくれるから


ついあたしも思ったことをそのまま


言ってしまったけど...結構大胆な発言だよなぁ。



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