炭酸キャンディ
夏休み
「い、いってきまーす!!」
履きなれたサンダルで自転車に飛び乗ると
あたしは炎天下の中なまぬるい風に髪の毛を揺らした
最寄り駅で自転車を止めて
駅ビルの中に入ると一気に冷えた空気が
ノースリーブワンピースを着たあたしの肩を
ひやっと涼ませて
教科書やらたくさん詰まった鞄からカーディガンを取り出した
少しして入り口から見慣れた姿がみえて
あたしは自然と笑顔になる
「おはよー恋」
「駿おはよ」
ラフな格好でさえ目をひく彼こそ
あたしの彼氏、一ノ瀬駿。
夏祭りから付き合いだしてまだ1週間くらい
変わったことと言えば
”駿”と呼び捨てで呼べるようになったことくらい
「じゃ、あいつら先に来ても困るし行くか」
「うんっ」
"あいつら"とは智哉くんと麗。
2人も夏祭りで付き合い、あたしたちと同じ記念日。
今日はそんな4人で駿の家で勉強会、
宿題を持ち込んで頭のいい特進クラスの2人に教えてもらうのだ