炭酸キャンディ
負けちゃったなと残念がる
智哉はため息を付いた。
「お前話したことあんの?」
「え?恋ちゃんと?」
「恋?」
「そう、さっきの小さい子『蒼井恋』ちゃんっていうんだ」
「ふぅん」
蒼井恋か...聞いたことないな。
「あ、恋ちゃんとは前にちょっと...」
「なに急に照れてんだよ」
「いや...前に...落としたもの拾ってもらったんだ...」
「なんだ、それだけかよ」
可愛いなお前と馬鹿にすると
智哉は必死になって理由を説明してきたけど
とくに興味もないからスルー。
「はぁ...恋ちゃん可愛かったな」
「なら話しかけに行けば?」
冗談半分で言ったつもりだったけど
智哉は本気にして
体育館を出て行った彼女を
俺を道連れにして追うことになった。