炭酸キャンディ
「れ、恋ちゃん!!」
走ったところで智哉が叫ぶと
少し前にさっきの彼女が見えて
不思議そうに首をかしげてから
ゆっくりと近寄ってきた。
彼女の隣には背の高めな美人系の女子もいて
2人は目を合わせてなにやらボソボソと話していた。
そして近くにくる彼女は思ったより
さらに小さく見えて
軽く183センチの俺より30cmくらい小さいような...
「どうか...しました?」
消え入るように彼女の口から出てた声に反応して
「あ...の!」
隣でどもる智哉を見かね
俺は一歩前に出た。
「急に呼び止めてごめんな?俺、一ノ瀬駿。コイツ柴田智哉って言うんだけど、よかったら友達になろうぜ」
俺の言葉に目をぱちぱちとさせ
びっくりした様子の彼女だけど
次の瞬間さっきみたいに頬を赤く染めて
小さく頷いた。
「もちろん...です。あの、あたしは蒼井恋っていいます...」
...可愛いな。
照れた様子に思わず胸が高鳴る。
「キミは?」
少し後ろで様子を伺う彼女の友達に目を向けると
驚いたように目を見開いてから
「あたしは、島田麗。よろしく...」
と遠慮がちに頭を下げた。
「恋と麗ね、これからよろしく」
俺は2人に笑いかけた後
呆然と立ち尽くしたままの智哉の肩を抱いて
その場を後にした。