愛してるって言って
きっと手を繋いでいたことを訊きたかったんだろうなと思う。


けれど今はそれに対してなんと答えればいいのかわからないから、このタイミングでママが来てくれたことに感謝した。


そして家の中に入ると、



「涼夏、早かったのね。夕飯をご馳走になってくるんじゃなかったの?」



ママに訊かれてぎくっとする。



「食べてきたよ」



ほんとは箸をつつくほどしか食べていないし、きっと近いうちに絢華ママからそのことどころか、蒼ちゃんに対する態度がおかしかったことも聞くだろうけれど、今はそれ以上何も言いたくなくて、



「勉強してくる」



と言って、二階にある自室に入った。
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