愛してるって言って
一度そらした視線をまた圭ちゃんに戻す。



「あたし、蒼ちゃんのことが好きなんだよ?」


「知ってる」


「ずっと忘れられないかもしれないよ?」


「長期戦も覚悟してる」


「圭ちゃんのこと、いっぱい傷つけちゃうかもしれないよ?」


「俺、そんなにやわじゃねーから、簡単には傷つかねーよ」



ずっと真っ直ぐに向いている瞳に力強さを感じて、どきどきと鼓動が早くなる。


幼馴染み以上には思えないと思っている圭ちゃんにこんなことを言ってもいいのかと思いながらも、心の奥では今は傍にいてほしいと思ってしまっている。


だからか、つい甘えるような言葉を口に出してしまった。



「あたし、圭ちゃんの傍にいてもいいの?」


「俺が居てほしいんだって」



圭ちゃんはそう言ってあたしをぎゅっと抱き締めた。
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