愛してるって言って
蒼ちゃんだって、あたしが蒼ちゃんのことを好きだってわかっているはずなのにこんなことを言うなんて。


蒼ちゃんの中では、あたしはまだまだ妹なんだ。



「あたしは、蒼ちゃんと二人きりになりたいから一人で来るのに」



またソファーにポスンと座りながら、そう言って口を尖らせた。


こうやって顔を合わせる度に想いを伝えているのに、蒼ちゃんにはその都度流される。


今日だってきっと……



「そうだとしても、あんまり遅い時間に一人で出歩くな。危ないだろ? ここに来たいなら、前以て俺に連絡するか、圭介と一緒に来い。わかったか?」



ほらね、やっぱり妹扱い……


……って、



「えっ!?」


「なんだよ?」



蒼ちゃんは眉間に皺を寄せているけれど、



「い、い、い、今っ……」



蒼ちゃんがあたしのことを女扱いしたっ!
< 18 / 376 >

この作品をシェア

pagetop