愛してるって言って
「何食いたい?」



でもなんだかんだ言って、蒼ちゃんは凄く優しい。



「蒼ちゃんのパスタが食べたい」


「了解」



そう言って、蒼ちゃんは隣の部屋へ行ってしまった。


蒼ちゃんが作るパスタは凄く美味しい。


だからといって、このメニューを選んだわけではない。


ほんとはどこかへ食べに行くという選択肢もある。


きっと蒼ちゃんもそうくると思っていたと思う。


けれど、少しでも蒼ちゃんと二人でいる時間が欲しいあたしは、つい蒼ちゃんの手料理をねだってしまうんだ。


ほんとは、「あたしが作る!」と言えたらいいんだけれど、実はあたしは料理が大の苦手。


だから、たとえ冗談だとしてもそれを口にはできない。
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