愛してるって言って
潮風に肌を撫でられながら圭ちゃんと手を繋いで砂浜を歩いているだけなのに、なんだか凄く幸せな気分になる。


暑いんだけど程よく肌を撫でてくれる潮風も、見渡す限り青々とした爽やかな景色も、あたしの心ごと包んでくれている圭ちゃんの大きな手も、全てがあたしの心を癒してくれる。



「もしかして泳ぎたかった?」



じっと海を見つめながら歩いているからか、圭ちゃんがそう訊いてきた。



「ううん、今日はこうやって歩いているだけで満足」


「そっか」


「うん」


「次は泳ぎに来ような」


「うん」



圭ちゃんと一緒に海で泳いでいる場面を想像すると、めちゃくちゃ楽しいんだろうなと頬が緩む。



「何にやけてんだよ」


「え!? にやけてないもんっ!」
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