愛してるって言って
「うん、あったかい」



あたしも手を伸ばして、圭ちゃんの背中に腕を回した。


こんな風に圭ちゃんと身体を密着させることなんてほとんどないから、あたしの心臓はどきどきと激しく動き始める。


こんなに大きな音を鳴らしていたら圭ちゃんにも伝わってしまうんじゃないのかな。


そう思うとめちゃくちゃ恥ずかしい。


けれど、圭ちゃんの胸に当たっているあたし耳からも、トクトク……という規則正しい鼓動が伝わってきて。


しかもめちゃくちゃ速い。


あたしも結構激しいと思っていたけれど、圭ちゃんのそれも負けず劣らず大きくて速い。


圭ちゃんも同じくらいどきどきしているんだと思うと、凄く嬉しくなって頬が緩んだ。
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