愛してるって言って
どれだけの間そうしていたのか。


いつの間にか雨足は少し弱まっていて。


だからといって、そこへ飛び出してしまえるほどではない。



「圭ちゃん、なんかちょっと重いよ」


「ん?」


「頭が重い」



圭ちゃんはあたしの頭にこつんと顎を乗せている。


圭ちゃんが休憩しようと頭に顎を乗せているわけではないだろうけれど、長い時間そうされているとちょっと重く感じて、つい口に出してしまった。



「あ、ごめん」



そう言って頭から離れたと同時に抱き締めている腕の力も弱まり、そのまま顔を覗き込んできた。



「圭ちゃん?」



至近距離でじっと見つめられて、その真っ直ぐすぎる瞳にさらにどきどきが大きくなる。
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